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これまでの研究課題

私たちが取り組んできたこと

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​​二国間交流事業

平成28年~29年度

2000年代に入り、実験語用論という分野が注目され(Nobeck and Reboul 2008)、implicature, references, vagueness and presupposition theoryといった研究分野に画期的な進展がもたらされました(Bot and Noveck 2004, Huang and Snedeker 2009)。

しかし、この種の研究は特にヨーロッパを中心に行われ、ヨーロッパ言語以外の言語を対象とした、比較言語学的観点に基づく研究が求められています。

このような状況を踏まえ、私たちは二国間交流事業「量化に関する実験語用論的研究」において、ドイツ語と日本語の比較を中心に選言接続詞、exhaustivity, gradability等に関する実験語用論研究を遂行し、アジア諸言語から新たな知見を発信してきました。世界に先駆けて比較実験語用論研究を進め、研究成果を3回にわたる国際ワークショップならびにWAFL14等の国際学会において公表しています。

また、本課題では若手研究者育成についても積極的に力を注いでおり、参加した若手研究者は自らグループプロジェクトを企画、運営することで、国際共同研究の企画、運営する力を大きく伸ばしています。

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大阪大学国際共同研究促進プログラム

​​平成30~令和2年度

二国間交流事業において培った実験語用論の実験手法を活用し、この大阪大学国際共同研究促進プログラム(タイプAならびにA+)では、実験語用論の観点から論理的思考と選言接続詞の依存関係、ならびに、その獲得過程を明らかにすることを目的に実験研究を進めてきました。

特に論理的思考の発達への母語の影響を解明するために、モノリンガル(4歳から10歳)、バイリンガル、第二言語学習者、第三言語学習者による選言接続詞の獲得過程について比較検討を実施しています。

 

新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を受け、令和2年度は実験が行うことができなかったものの、これまでのモノリンガルを対象とした研究成果は、第一言語獲得の分野において選言接続詞の解釈に関して新たな実験結果を提供し、exhaustificationに基づく、分析の発展に大きく貢献を果たしています。

この研究成果はExperiments in Linguistic Meaning 1 (ELM1) ならびに2年続けてボストン大学言語発達学会 (Boston University Conference on Language Development) にて公表しています。

また、同等比較の「ほど」の性質を詳細に検討し、肯定極性を示す「ほど」についてはChierchia (2013)などが提案する音形を持たないevenによるexhaustificationの結果として分析できることも示してきました。この研究成果についてはNew Frontiers in Artificial Intelligence (LENLS) において国際共著論文として公表されています。

これまでの研究課題: その他の研究課題
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